砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




アズは

きっと最初は
あの見た目のインパクトで
たいていの男は、惹かれてしまう




でもそれだけならきっと
女子連たちも、許してくれたに違いない


"も〜!
血迷いやがって〜" みたいなさ


そして完全無欠の
女神みたいな女だったら



" …まあ、あの子なら仕方ないよね "とか


でもアズは、付き合ってみる毎に
普通の女の子だって事が
わかって行くから
余計に許せなくなって行くんだろう ――




「 青山くん これ〜 」


池上がガサゴソと
横に置いてあった袋から
フルーツ入りのゼリーを出した




「 ―― あ …それ 」


「 うん
来る時寄って貰ったコンビニで
買っておいた

青山くん、車乗ったまま
考え事してたし


―― アズルンが熱出したりすると
これ、毎回食べさせてあげてたもんね 」




「 …ありがとう 」


「 いまだによ
何かっていうとそれ食ってるぞ
アズル 」


「 ―――… そうなんだ 」


「  おう 」