―――――― 夏の陣
アズが望んで
心から 戻りたかった場所
当たり前だ
こんな事を、平気で言ってのける
こいつらといなくて
誰と一緒に居るんだ…?
――― 思い返せば
アズからチケットが送られて来たのは
俺の誕生日
それなのに
あの時の俺は 自分の思いに精一杯で
いつもと違う『Azurite』に
こいつらの演奏に、圧倒されて…
途中から、ほぼ全容なんて
覚えてもいない
" 見ていたのに、
見ていなかったライヴ " ――――
「 ―― ユカさん達と、アズルンが
本当の意味で仲良くなるには
時期が、少し早いかなあなんて
思ったりもする
こればっかりは、アズルンが泣いて…
青山くんが慰める ―――で
終わる事じゃないし
僕みたいな親父の意見だけじゃなくて
現役の灰谷くんが
言ってた事でもあるからね 」
「 灰谷が…? 」
「 うん そうだよ
サークルの事もね
確かに、青山くんの口利きなら
優遇されたり、入りやすいし
きっかけとしては最高級だけど
――― " あいつまだ下手だから
変なプレッシャー
後で受けるの目に見えてるし
だけど、あいつが長く居続けたいなら
そこからは、
自分で努力しないと駄目だ "って 」
「 ――… うん 」


