砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




「 …………… 」


「――… 雑誌なんかで見てるうちはさ
結構平気なんだ

…… だけど目の前で見て、
衝撃受けて、触ったりして
着たりなんかしたら最後だぞ


――――― 全然違う


… それで家に帰って
妥協して買った服、手に取ったりして

"あああ
やっぱりあれじゃなきゃダメだー"って
買えるモノなら、頑張って買ったりさ


―――… どうにもならないモノなら
また日々の中に
その感情を抑えながら生きていく


大人は、それが出来る
結局、真木の台詞じゃないけど

――― "クソガキ"なんだよ

特に、俺はさ


おもちゃ屋の前で泣き叫んでたのが
小遣い貯めながら、
その日を指折り数える位には
成長した様な気もするけど


さしずめ俺は、量産型の"吊り服"

真木とか池上とか
―… 青山なんかは、"一点物"だけどな 」




アズは黙って聞いていたけど


突然ニコリと笑い、
俺の前髪を直しながら言った


「 … 淳らしい、
わかりやすい例えだったけど
それ、少し違ーう 」


「 ――… 違う? 」