「 ――― 標、的…? 」
「 前にも岡田には説明したし、
テレビや雑誌
――― 状況見てわかんだろ?
アズルは今、世界中の男の『嫁』だ
それと、マンハッタンでの御家騒動
ひとまず終わりはしたけど
油断なんか出来ねえよ
ああいうヤツらは、しつけえからな
アズルは一生、狙われ続ける 」
「 ……… 」
「 そして ―――
本来なら夫になるべき青山は
かなりコアなファンがついてる
"CheaーRuu"のベーシストだ
反面、
そういうアーティストには叩きも多い
… それがアズルの旦那になってみろ
何が起こるか判ったもんじゃねえ 」
「 そ、そんなの予想だろうが! 」
「 … 予想じゃねえだろ?
アズルは一度、
ハラえぐられてるんだから 」
「 ―――…… ! 」
静かにタバコに火を着け
ポケットに戻した右手の指には
赤紫色の宝石 ――――
「 それと、もうひとつな 」


