砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




散らばったボール


数字の少ない球から狙って行き
最後に"9"の球を
先にポケット、穴に落とせば
そいつが勝ちのルール ――――



「 …ハルト
ホント、イヤな位置に撒きやがるなあ
オメエ、絶対ワザとだろ!! 」

「 …いいえ? 」




ハルトはクスクスと笑いながら


――― "1"のボールは
確かにポケットの近くにあるんだけど

ただ打つと、
白い手玉まで入ってしまう程に
近い位置


これが落ちてしまったら
問答無用に負けなのだ ――――



真木はキューを真っ直ぐにし
何回か周囲を歩いて、角度を調べる


そして"引き玉"
ボールの中央より下
キューで狙い、回転をかける




"1"はゴトリと音をたて、ポケットに入り
白い手玉は一緒に落ちる事なく
こちらへ単独戻って来た




ハルトが、軽く拍手