真木は
少し、緩く笑って
「 狩人さん
"赤ずきん"は、 元気にやってるぞ 」
真木はハルトにそう言って
そして、ハルトはハルトで ―――
作業机化しているビリヤード台の上から
紙の束を移動させて
端に寄せてあった、
トライアングルラックを移動し
真ん中で、それを取り外した
――― 鮮やかなグリーンのラシャに
カラフルな、九つのボール
キューを一本持ち、薄く笑いながら
自分の肩を、トントンと叩く
「 そりゃ よかった 」
真木もそれに習う様に
残っていたキューを持って
先を青いチョークで、何回か擦り、置いた
狙いをすまし、先に打ったのはハルト
「 …なあ、そんな前からって
――― それじゃ、
青山と会う、随分前じゃないのか?!
アズ、そんな話は一言も… 」
「 するワケねえよ
青山に話したのだって
… アズルの事件後だしな 」


