とても立派な桜の木が目の前に現れた。


多分この光景を人々が見ると綺麗と言うだろう。



でも、私は


哀しいと思ってしまった。


たった一本だけポツリと立っていて


みんなに存在を忘れられているかのように


ただひっそりと生きている


私は無意識に桜に手を伸ばした。