俺はお湯に深くつかった。



「親友といえば俺らもだよ」


「俺ら?」


「俺と伸にきまってんじゃん」



梓に、こんなふうに言われるとは思わなかった。


親友、とか。


恥ずかしくないのかって。



「伸なんか顔赤くね?」


「べつに…」


赤い顔を隠すため、お湯の中に顔を入れた。




「綾香と伸とか誤解してたけど、やっぱり伸は親友だよ」



お湯から出てきて、『だよ』くらいしか聞こえなかった。


でもあえて聞こうとは思わなかった。



「俺、あがる」


「えっもう?!」



梓は1人でふろに入るのがいやなのか。


梓がついてくる。