そのまま、あたしにぶつかってあたしの体が飛んでいっちゃうのかと思った。




寸前で止まる車。


でも前にいるのは車じゃなくて、梓くん。



あたしをかばうように車の前に立って、手を伸ばしている。




車との距離はほんとうにぎりぎり。


ぎりぎり梓くんの体にぶつかっていない。




「……梓くん…」


「…びっくりした……。綾香、だいじょうぶ?」



「う、ん…」



心臓がばくばくしてる。


死ぬかと、思った~。




「あ」

「へ?」


車の運転手は知ってるやつ。




伸だ。