放課後、帰宅準備をしている碧に、瑠璃とサキは駆け寄った

「加奈子、先輩と付き合うことになったよ!
すごくない?」

碧の机に両手をつき、身を乗り出してサキは喋った

鞄の金具を止めようとしていた碧の手が、ピタッと止まった

ぎょろっと、綺麗な二重の目がサキを見た


「嘘?」

碧は小さな声で聞いた

これまで見たことのない碧の顔だった
瑠璃は、碧の表情に釘付けになった


「マジなんだって!
加奈子、さっき屋上で先輩に告ったのよ。
したらOKだって!
付き合おうって言ってくれたんだって!

マジ有り得ないよね?
加奈子、嬉し過ぎて泣いてたし~」

サキは顔を赤らめ、自分のことのようにはしゃいでいる

瑠璃はどうしてか言葉が発っせず、ただ立ち尽くして碧の顔を見つめていた