甘い罠


碧の強引な差し金で、木村と瑠璃は同じタクシーに乗っていた

三人共、帰る方向は一緒だった

瑠璃は、碧も一緒に乗るよう薦めたが、碧は用事があるだの、寄るとこがあるだの言い出して、頑として乗らなかった

気を利かせているのだろうが、時間も11時を回っていたことだし、瑠璃は執拗に薦めたのだ

すると碧は、木村には聞こえないように「んもう、あんまり世話焼かせないでよ」と言い出した

瑠璃は心外だった

碧が勝手に世話を焼いたのだ




「大丈夫?」

木村が瑠璃の顔を覗き込んだ

瑠璃はハッと我に返った 

碧のあの一言がどうにも納得いかず、苛々していた