甘い罠

「単純に木村さんを見てて、瑠璃みたいなタイプと合いそうだなぁと思ったっていうのはあるけど…」

碧は大きな瞳をクルリと上げ、少し考えるような顔をする

「まぁこれは私も、木村さんがあの時怪我して入院したから知ったんだけどね

木村さん…ご両親が早くに亡くなってるんだって

あ、木村さんが入院中、大丈夫かなと思ってメールしたの

そしたら、誰も看病してくれる人がいないから、こういう時困るって。

男友達がお見舞来たって気が効かないじゃない?
着替えとか、身の回りの世話してくれるわけじゃないし」

瑠璃はチラッと碧を見た

それって、碧に看病して欲しいってアピールしてたんじゃないだろうか?

もしかして、碧もあえて気付かないフリしてる?

また、碧への不信感みたいな気持ちが湧いてくる

「てか…

木村さん、碧のことが好きなんじゃない(笑)」

瑠璃は何でもないようにサラッと聞いてみた

「あ、それは絶対ない(笑)

私、そういうの分かるタイプなの

自分に気があるような男は、すぐ分かっちゃうんだよね」

碧はクスクス笑いながら言った

しょっちゅうそういうことあるから♪ と言っているように瑠璃には聞こえた

「木村さん、私みたいな派手な感じの女は苦手だと思うな

瑠璃みたいに、清楚!って感じの子が好きそうだもん」


清楚?

そんなことを碧に言われたのは初めてだった