甘い罠

短大卒業後、瑠璃は小さなリース会社の事務員として働きだした

一人暮らしに憧れ、実家からふた駅ほどしか離れていない1LDKのアパートを借りた

小さいながらも、ダイニングキッチンになっていて、ステンレスのハシゴを登るとロフトがあった

仰向けに寝ると、目の前に天窓がある

可愛いらしい間取りに、瑠璃は即決した

家具を新調し、オレンジ色のカーテンをつけると、これから始まる新生活に胸がときめいたものだった

いつかこの部屋に、素敵な彼氏が訪れるようになって、手料理を振る舞うんだろうか

あの天窓から見える星空を眺めながら、大好きな彼と将来を語り合う妄想が広がった