「あっ!帰ってきた」光が小さな声で呟き木の影に隠れる。 耀太が寒そうにポケットに手をいれて歩いてくる。 耀太は私の方を一瞬見て驚いた顔をしたけど素通りして家に入って行こうとする。 「ま、待って!耀太っ」耀太はしぶしぶという感じで振り向いた。 私はドキドキしながら耀太にラッピングされた袋を差し出した。 「何?」 「何ってチョコだよ!今日、ば、バレンタインじゃん……」 冷たい耀太に涙が出てきそうになる。