素直になりたくて【完結】


「美優ちゃん顔、上げてよ」うるうるきている目が斎籐くんの顔を見る。

「謝らないで。分かってた。美優ちゃんが耀太を好きなこと。耀太と美優ちゃん前みたいに言い合いもしなくなったから気になってたんだ。」斎籐くんはすごく優しい。

「俺もわざと耀太の前で美優ちゃんと話したりしてた。ごめん」
「えっ」斎籐くんは苦笑いをしながら謝ってくる。

「嫉妬してたんだ、耀太に。美優ちゃんも何も言わないし、俺は美優ちゃんが好きだからさ。このままでもいいやって思ってた。でも、素直に美優ちゃんが本音言ってくれて嬉しかったよ」

斎籐くんは私を責めるどころか背中を押してくれた。