結局は君が1番



ぱちっ

恐る恐るではあったけど、教室の電気を付けてみた。

「斎藤っ!?」

斎藤が俺に抱きついていた。

どうしたんだこいつ?

「何だよ、何があったんだよ?」

顔は見えなかったけど、よく見ると体が小刻みに震えている。

「緑川ぁ〜…、お、男の人…怖かった……」

……俺も男なんですけど。

「あのね…さっきね…」

話を聞く限り、斎藤はどうやら佐々木に話をしようとして部活が終わるのを待ってたら、ガラの悪い不良の兄ちゃん達に捕まったらしい。

で、必死に逃げ込んだのがなぜか教室。

気が付いたら夜になってて怖くて外に出られなかったらしい。

…こいつ明日の朝までここにいるつもりだったのかな?

「斎藤?大丈夫か?」

「……ッ」

ははぁーん、こいつ男慣れしてない感じか。

あんなに昼間チャキチャキしてたから、てっきり気の強い女だと思ってた。

意外と弱いんだな。

…無理に帰らせるのも無理そうだしな…

さて、どうしたものか。