その日の放課後、部活が終わって教室に弁当を忘れたのに気が付き取りに帰った。
時刻はすでに7時をすぎている。
校舎には人影もなく、しーんとしていた。
「……超気味悪ぃ……」
教室がやけに遠く感じる。
ガラガラガラガラ……
「わ……」
え?声?え?誰?
待て待て待て待て待て待て。
落ち着け俺。
お化けとかまじでいねぇから。
落ち着け俺!落ち着け!
「みど…り…かわ?」
え?嘘?俺の名前呼んだ?
怖すぎて電気つけられねぇんですけど!
「緑川!!」
どんっ
いきなり何かが俺に体当たりしてきたようだ。
俺の名前を呼びながら。
かなり怖かったけど、俺の名前を呼ぶその声は、確かにどこかで聞いたことのある声だった。
