記憶の向こう側





「叶恵!飯、食べたか?」




一通り服を詰め終わったらしい勇樹が、大きな声で私を呼んだ。






「ううん…。」




私は、覚えたてのようなタメ語で勇樹に答えた。




「そっか。…どこか、食べに行くか。」



「え…」




何でいきなりご飯誘ってくるの?




驚いていると、話は勝手に進んでいた。




「金ないから、ファミレスでいい?」



「う…、うん…。」