記憶の向こう側





部屋に入った勇樹は、ぐるりと部屋全体を見回した。




「数日ぶりの我が家だなぁ。」




よく見ると、勇樹は私服。




水色のTシャツに黒っぽいジャケットを羽織った、ジーパン姿。




いつも恐らく仕事用の真っ白い割烹着姿しか見ていなかったから、変に新鮮だった。