その時、そばにいた看護師さんが、島川先生に何やら耳打ちをした。 …どうやら患者が多くて、時間がおしているらしい。 島川先生は、また私の方に身体を向き直して、照れ笑いしながら言った。 「まあ、中年特有のうんちく語っちまったけど、誰かを上手く利用して、自分も息抜きしてやらないと、ダメになっちゃうってこと。」 「はい。」 島川先生は、最後にもう一度私の顔をまじまじと見つめてきた。 「本当に大丈夫?まあまた来週も待ってるから。早く元気になれよ。」 「はい…、ありがとうございました。」