記憶の向こう側





「記憶の方は、変わりない?」




島川先生がいつもの質問をした。




「はい…。全然戻りません。」



「そうか…。ま、思い出そうと無理せず、気長に待つしかないな。」



「はい。」




島川先生はデスクに向かい、カルテに何やら記入した後、もう一度私の顔をじっと見つめた。





「しかし、精神的にきつかったんじゃないか?」



「え…?」