記憶の向こう側




私の声は小さかったけど、彼はそっと振り向いてくれた。




「ありがとう…ございました。」




私は声を振り絞って、彼にお礼を言った。





すると…




彼は微笑んで



「風邪、ひくなよ。」



…と、一言だけ言い残して、ドアの向こうに消えた。