記憶の向こう側




私の中に、じんわり痛みが広がっていく。




そして彼は手際良く私の足に包帯を巻いてくれた。




「これで大丈夫。じゃあ俺は戻らないといけないから。酔っ払いの客には気を付けろよ。」




…と言って、彼はドアノブに手を掛けた。





ダメ…

行かないで。



だって、私…



お礼言わなきゃ…!





「あ…っ。あのぅ…」




やっと、私の声が出た。