記憶の向こう側





私はお父さんを睨み付けるようにそう言ったけど…、お父さんは考えを変える気はまるでなさそうだった。




「諦めろ、杏子。お前達では無理だ…」



「私、子供が出来て、嬉しい。だから、産みたい。純粋な気持ちよ。」



「だが、ちゃんと考えろ。このまま産んでも、みんなが路頭に迷うだけだ。」



「何とかする!とにかく私は産むから。…出てって。」




この子がこの世に出てこれない方が、よっぽど不幸だと思う私は間違えているのだろうか…?




「…私は認めないからな!」




お父さんはそう言い残して、病室を出て行ってしまった。