記憶の向こう側





破片の入ったちり取りの中身をゴミ箱に捨てて、勇樹はふぅとため息をついた。




「ごめんな。…俺、疲れてるのかもな。」




確かに…


いくら仕事が早く終わったからと言って、家に帰ってまで立て続けに料理作るのは、疲れるよ…。




「いいよ、あとはやっとくから。勇樹は今日はゆっくり休んで。」




私は優しく勇樹の肩に手を置きながら言った。




「おう。本当に、ごめんな。」




勇樹は申し訳なさそうにしながらお風呂へと向かった。








この時、まだ私は気付いてなかった。




周りの人が少しずつ…、




ほんの少しずつ変化していることに…。