記憶の向こう側






「島川先生。あの…、梓さんは…?」




今日、私は月に一回の検診のため、仕事終わりに病院に来ていた。




「…ああ、浜田くんね。確か今日は…、夜勤明けだったから、帰ったんじゃないか?」



「そうなんですか…」



「何か、話したいことでも?」



「いえ、ただ、私が検診に来た時はいつもいたから…。そうですよね、たまにはそんな日もありますよね。」




私が作り笑いをすると、島川先生はそれを見通すような表情をした。




私が通い慣れてきた分、島川先生も私のことを分かってしまうのだろう。




「ああ、まあ、君が来たことは伝えておくよ。」