みんなの期待に応えられなくて気を落としていると、勇樹がそっと私の肩に手を置いた。
「俺は、叶恵のままでいてくれるなら、記憶が戻っても戻らなくてもいい。だから、変に焦らなくていいからな。」
勇樹…。
そう言われて、すごく嬉しい。
私は私のペースで記憶を探していこう。
「うん…。ありがとう。」
「うん、そうね!私もそう思う。ごめんね、焦らせたみたいで…。」
梓さんも勇樹に同意して、申し訳なさそうな顔をした。
「いえ、大丈夫です。昔の私を知っているかもしれない人がいたっていうだけでも、大きな進歩ですから。」
私のその言葉に梓さんは安心したようで、ニッコリ笑った。
「頑張ってね!じゃあ…、お邪魔したわね。そろそろ帰るわ。」
梓さんは私達に笑顔で手を振って、アパートを後にした。

