記憶の向こう側





すると、梓さんが勇樹に話しかけた。




「勇樹くんは?どう思った?」



「…これは叶恵ですよ。叶恵はアイツ…山下が言う通り、山下の幼なじみじゃないかと思います。」



「そうよね。私もそう思っているもの。あとは叶恵ちゃんの記憶さえ戻れば…」




でも…、周りの期待に反して、私の記憶は戻る気配もない。