記憶の向こう側





「…そうですよね。記憶が戻らない以上、この方は『田島叶恵』さんなんですよね。記憶が戻ったら…、その時はまたどうしたいか考えてもらえればいいですし。」



「そうだな。あんたが叶恵の幼なじみかもしれないと分かったから、たまに叶恵に会いにくるぐらいなら許してやるよ。ただ、いきなり来るなよ。」



「今日いきなり来てしまった無礼は謝ります。」





「あの…」




私は二人の話に割って入った。