記憶の向こう側





「確かに…叶恵だな。」




写真を目にしながら最初に口を開いたのは、勇樹だった。




「似てる…というより、まさしく本人だよな。叶恵は?どう思う?」




確かに、最近の写真は私の姿に瓜二つの女性が写っていた。



けど…




「う…ん…。私の写真みたい。だけど、全然思い出せないよ。」



「落ち着け。まあとりあえず、一枚一枚見ていけばいいし。」




勇樹の言葉の通り、私は落ち着いて一枚一枚の写真を隅から隅まで見ていった。





「あ!」



「どうした?」





一枚の写真の前で、私の視線は釘付けになった。




そんな私の様子を見た勇樹は、心配そうに私の真剣な顔を覗き込んできた。





見つけた…。



記憶につながりそうな一枚の写真を。