記憶の向こう側





「おいしい!」




麺を一口すすった後の一言。




こしがあって、つるっとのど越しの良い麺と、それによく合うしょうゆベースのつゆ。




シンプルな素うどんといった感じだけど、とてもおいしい。




「ありがとな!叶恵に満足してもらえれば、もう最高だな!」




勇樹は自分の食事もそこそこに、嬉しそうな顔で私が食べるのを見ていた。




「今度お互い休みができたら、デートしないか?」



「デート?」



「おう。ま、いつもしてたけど。遊園地行こうぜ。」




うそ…

勇樹と遊びに行けるの!?




「遊園地…行きたい!」




私が興奮気味にそう言うと、勇樹は子供のような笑顔になった。




「だろ?叶恵、好きそうな気がしたんだよ。決まりな!空けとけよ。」



「うん!!」