長い沈黙を、私から破った。
「勇樹は…、私のこと、好き…なんだよね?」
「え…?」
「私、勇樹のこと、好き…だと思う。」
「叶恵…。」
一瞬驚いた勇樹の顔が、ゆっくり穏やかになっていく。
勇樹の手が、そっと私の頬に触れた。
ごつごつしてるけど、温かくて大きな手。
「好きじゃなきゃ、『暮らそう』なんて言わない。叶恵…。好きだ。」
「勇樹…。一緒に暮らしたい。」
「うん、一緒に暮らそう。」
私は静かに目を閉じた。
唇に、勇樹の柔らかい温もりを感じた。
そっと目を開けた時、目の前の勇樹は小さな声で
「付き合おう」
と言ってくれた。
私は首を縦に振ってうなずいた。
そしてふっとお互いの視線が合った途端…
何となく恥ずかしくて、二人で顔を見合わせて笑った。

