「叶恵…。俺と暮らさないか…?」
しばらくして、勇樹がポツリと言った。
「勇樹…?」
でも私、恋愛なんて…
「叶恵が苦しんでいるのは分かる。正直、男と付き合ってる気持ちの余裕も無いだろ?だけど…、それでも叶恵の側にいたいっていうのは…、俺のわがままだよな。」
「…?」
「俺は、叶恵の全てを受け入れる。過去の叶恵がどんな子だとしても…、叶恵が今ここにいるならそれでいい。付き合えなくてもいい。俺、叶恵が嫌なら絶対何もしないから。だから、一緒に暮らさないか…?」
「勇樹…。」
勇樹の目は真剣だった。
これは…
告白されているんだよね?
「叶恵…。ごめん、俺、変なこと言ってる…。」
勇樹は照れ臭そうにそう言って、黙ってうつむいた。
それから何分も沈黙が続いた。

