記憶の向こう側





「勇樹!めちゃくちゃおいしいよ、これ!」




私はやや興奮気味に勇樹に向き直って言った。




「うち仕出屋で、ほとんど和食の弁当しか出さないだろ?だから、洋食のオムライスはあんまり作ったことなかったけど…、叶恵見てたら、オムライス食べさせてやりたかったんだ。」




勇樹は照れ臭そうに、でも嬉しそうにゆっくり話してくれた。




「和風の旅館で働いている叶恵もいいけど、実は洋風もいけるような感じしたから。…気に入ってもらえてよかった。」



「うん!おいしいよ。」




私はどんどんオムライスを崩して口に入れていく。




とてもおいしくて、スプーンを動かす手も自然と早くなる。