記憶の向こう側





「親なぁ…。慰安旅行とか言って、俺だけ置いて1週間出掛けちまって。パートのおばちゃん達がいなかったら、俺、過労死してたな。」




勇樹は苦笑いしながら更に建物の奥へと歩を進めていく。




そして、とある部屋で勇樹は突然止まって、私の方に振り返った。




「お前、ここにいろよ。あとは出来てからの楽しみな。」



「うん…分かった。」




そこは小さな食堂みたいな部屋だった。




古めかしいテレビが真ん中にドンと構えていて、雑誌も隅に何冊か立て掛けてある。




私は適当な椅子に座り、とりあえず手当たり次第に雑誌を手に取ってめくった。