記憶の向こう側





家の方向へ歩き出そうとした…その時。





「叶恵!」




勇樹が私を呼び止めた。




「え…。」




私はまた勇樹に振り返った。




「今度…、また飯食いに行こうな。」




勇樹は優しく私に微笑んでいた。




何故だかその笑顔を見て、あったかい何かが込み上げてきた。




「…うん!」




私も笑顔で頷いた。




偶然だけど…勇樹に会えて良かった…って、安心している私がいた。