記憶の向こう側





料理が来るまでの間、手持ちぶさたになった私と勇樹は、水を飲んだりお手拭きで手を拭いたりしていた。




何となく私が窓の外の人の波を見つめていた時、勇樹に突然質問をされた。




「素朴な疑問、聞いていい?叶恵って、何歳なんだ?」



「え…?」




私の、年?




「俺より年上か年下かって、一応気になるんだ。」




勇樹はふっと私に笑いかけた。





どうしよう…。



誕生日も思い出せないのに、本当の年齢なんて…。








そうだ。