お嬢様の恋愛事情




トントンと肩を軽く叩かれ条件反射で振り向く。



あぁ。この事だ、麻美があんなにニヤけていたのは・・・。



私の肩を叩いたのは竜貴。



麻美は、私が竜貴を好きな事は知っている。



「ねぇ、ちょっといい?」




突然の竜貴の口から出た小さい声に動揺を隠せない。



ドキンと心臓が揺れる。
胸がキュンと高鳴る相手は竜貴だけ。



「え・・・?どーしたの?」



竜貴に不思議そう尋ねた瞬間、竜貴は私の手をひき教室から出て屋上の階段へと私を連れて行く。