〜竜貴side〜


あいつヤバイ。あの男ムカつく。


何様のつもりだよ・・・。



あの男の嫌味のような笑顔が頭から離れない。



でも、如月・・・こんな暗い中で一人で帰って大丈夫か?



俺が途中まで送ってあげればよかったかも。なんて今さら後悔なんてしても遅い。それに後悔ってもんは後からやってくるものだ。



しゃがみ込んだ状態のまま、ふと目線をずらして見ると何かが落ちていた。



あっ。もしかして携帯?
固まったコンクリートの上に落ちている何かに俺は近づいて行った。



やっぱり携帯だ。



無造作に落ちているピンクの携帯を手に取った。


幸い目立った傷などはついておらず、ただかすれた後が残っていた。


誰のだ?ピンクだから女とは、思うけど・・・。


〜〜〜〜♪



「うわっ!」



我ながら携帯からイキナリ響く、流行りの曲に驚いてしまった。


メールか?電話か?



抵抗があったものの誰かの携帯っていう手がかりがあるかもしれないと思いパカッと携帯を開いた。