「翔、私に結婚相手がいる事・・・知ってたの?」
竜貴の事で顔が赤い事をバレたくなかったから下を向いたまま質問した。
「はい。黙っててすいませんでした。さっきお父様からお嬢様に許婚の件を話したと聞いて・・・」
何だ・・・知らなかったのって当の本人の私だけなんだ。
「お嬢様は許婚の件を取り消しにしたいですよね?」
翔の質問に真面目に答えた。
「うん、取り消したい。相手が誰だかも、わからないもん。」
「相手のお名前、お聞きになっていないのですか?!」
翔は驚いたように問いかけてきた。
「そうだよ・・・?翔は名前わかるの?!」


