皆の視線がどうしても気になるけど顔を上げれない。
だって上げたら顔を見られるし恥ずかしいから。
そんな事も、お構い無しにどんどん進んで行く竜貴。
手を掴まれながらも一生懸命、歩調を合わせる私に気づいたのか歩くペースを合わせてくれた。
教室に入ると手は離されたが、皆の冷やかしは止まらなかった。
「春陽ー!」
後ろから聞こえる麻美の声。
「おはよ、麻美。」
「ラブラブじゃん。中村君って春陽の家に、お泊りでしょ?」
小さく耳打ちする麻美に言い返した。
「それには事情があるの!」
昨日、麻美に竜貴が泊まってる事を話すとコレばかり言って来てからかって来るんだ。


