「これもですか?」

「あぁ」


素っ気ない態度の裕太。

なぜかそこにほっとしてしまう私。

「私持ちますッ!」

「いいよ、重いから。」

「あっじゃあお願します!!」

やっぱり裕太は優しいんだね。

クールだけど、さりげなく誰にでも優しいんだ。


顔をみなくったって分かるもん。



姫空ちゃんの表情。


しばらくがさがさと物音がし、「ちょっ」


裕太のそんな声であたりは一気に静まり返った。


....どうしたんだろう!?


私は恐る恐る物陰から覗いた。



するとそこには....


背の高い裕太の首に必死に両手を回し


....キスをする姫空ちゃんがいた。




ズキン-


しかし裕太も離れない。


なんで?

裕太は私だけって言ったじゃん。


っ。


気がつけば、私の目からは大粒の涙が流れていた。



こんなとこ....

こなきゃよかった!

私は我慢できなくなり、その場を立ちそこから出た。


「あっみ...未央!!!!」


一瞬そんな裕太の声がしたけど

「先輩...好きっ」

そんな甘ったるい姫空ちゃんの声で


裕太の声はかき消され


私は勢いよく教室を飛び出した。


裕太のバカ!!

っもう...信じられない!

一番隙があるのは...裕太なんだよ!!

裕太なんて....




大嫌い!!!