ほぼ怖さで記憶がないまま中間地点に差し掛かった私たち。



すると突然「あ!」と志田君が言った。


「えっ?」


すると志田君は照れたように言った。


「あの...手つないでた...。ごっごめんな」


「あっ...いやっ私こそごめん!」



そして私たちは静かに手を離した。



気がつけば...手を繫いでいる事なんて忘れていたよ...


離すと急に冷える手。



あったかかったのは...志田くんのおかげなんだもんね。


「いっいやだったろ?手...しっかり洗えよな!」



志田君はそういうと静かに歩き出した。


「えっ!そんな...嫌なんかじゃ...」




そして私たちは無言のまま1mほどの距離を開けたまま歩き出した。




そして最終地点に差し掛かったとき-




『ガサガサ!』


「きゃっ」


大きな物音がして、驚いた私は....つい志田君に抱きついてしまった。


でも...手がはなれなかった。


これは怖すぎるせい...。


「大丈夫か?」


「あっうん...ごめんっ!」

私はそういい離れようとしたが....

「もう少し!このままでいいよ...怖いんだろ?」


「えっ...あっ...うん」


私は佐久間くんが好きなのに-


こんなことしていいのかな?


偽りの片想いなんて絶対嫌だ。


でもなぜか...「いい」と思ってしまったんだ。


すると...私は身体がさらに硬直し



声もでなくなった。



だって.....