それからの記憶は、ほんとなにもなくて



「卒業おめでとう」


今に至る。



「じゃあ、未央お母さんさき帰っているわね」

「うん、ありがとう」


1人になった教室の片隅



私は窓から外を眺めた。




....バスで初めて君を見つけた。


そして運命じゃないかって思う席。

心友と同じ人を好きになって。



嫉妬もした。




もし、あの日私がバスに乗らなかったら?


もし、私がこの高校に入学しなかったら



君には会えてなかったかもしれない。


今までの楽しかった思い出なんて




なかったかもしれない。



そう思うとやっぱり、これって



『運命』なんだよね。



だとしたら、もし裕太とここで


離れてもまたいつか、裕太に会えるのかな。



もしこれが




『運命』だとしたら。