無言のまま、歩いてゆく。




これが...最後の通学だ。



あぁっなのに、なにも話さないまま学校に着いちゃうなんて!



....嫌だよ。



「未央」


「へっ?」


声がして上を向くと、裕太が不安そうに私を覗き込んでいた。



「どした?元気ないけど」

「えっ...いや、なんでもないよ」

「ふぅん...」


ほんとはなんでもなくない。


今、すっごく泣きたい。



でも涙は


うれし涙でも


悲し涙でもない


なんだろう...この気持ち。



ただ、これだけ言いたい。


「裕太っ」


「ん?」



「スキ...大スキだよ」

すると裕太はふにゃっと笑った。

「ん,俺も」