「話って?」



今の大切な時期、勉強で精一杯なのに


私のことで裕太に心配かけたくないから


なるべく変に誤解をされることはしたくない。





さっさと話を聞いて、教室へ戻ろう!


私は少し焦り気味にそうたずねた。





すると前を歩いていた清水君は振り向いた。



「なに...?」


「スキです!!先輩のこと!」


「えぇぇ?!」


うそ~。

気持ちは嬉しいけど、でもなんで...


裕太いるって知ってるのに。


「俺、無理だって分かってます!けど、先輩が卒業するまでに気持ちだけでも伝えたくて!!」

「そ...そうだったの」


「はい。だから返事はしなくていいです。だから...その、俺のこと忘れないで下さい!」


「えっ」


すると清水君はふにゃっと優しい笑顔で笑った。


「俺、告白したの初めてなんスよ!だから~その、無理な告白だったけど、初めてだから...せめて忘れてほしくないっていうか...勝手ですよね!すみません...」

「忘れないよ」


「えっ」


「清水君のこと忘れないよ。告白されたことってあんまりなかったし、すごく嬉しい!気持ち...大切に受け取るね」


すると清水君の目に涙が浮かんだように見えた。


「はっはい!ありがとうございました!!!」


そして頭を下げ、走っていなくなった。



こんなこと、絶対言えないけど
胸の奥が少し『きゅん』ってなった。

ありがとう。

清水君-