ただ君だけを


教室に戻ると雄大が何故か俺のとこに来た


「お前、どこいっててん?さっき、美奈から諒の変わりにうちが数学、教えるからとか言うメール来てんけど?なんか合ったんか?」

お前のせいで事態は悪化してんだよ


なんて言えるわけもないよな…

そういえば…

「何日か前の朝練が始まる前の時、三代と喋ってたやんな?」

あのとき、三代と喋ってたのは雄大だった


雄大が知ってるって事は他の部員も…

そんな考えをしていた

「ちょい、来て」

雄大に手を引っ張られて近くの階段に連れていかれた
「お前、聞いてたんや…。美奈にも聞いたんか?」


いつもアホキャラな雄大が真剣な顔をしていたので驚いた


「三代には告られた…。けど、答えは分かってるからって言われてん。他の部員も知ってるん?」


三代が告白した事が余程…意外だったのか、雄大は目を点にしている


「え?いや…告られたんか他の奴等は知らねーよ。多分な…。俺は、美奈がお前の事好きちゃうんかな?と思ってたから、聞いただけや」


もしかして…雄大も他の部員と同じく三代が好きやったんかな…

そんな想像をしてた時、雄大が俺の想像してた通りの事を言った

「美奈の事、好きやったしな…。やから…朝練の前の時に、美奈に告ってから美奈の好きな人を聞いたし。」