三代はグラウンドに俺を残してさっさと校舎の方へ歩いて行った


俺も…戻ろう

そう思い歩き出した時

「あ!諒?朝練お疲れ様」

知乃が俺の所に来た

「ぁりがと。朝練、見に来るの珍しいな。もう、終わったけどな」


知乃は頷き

「今日な、一緒に帰れるやんな?テスト前だし?」

そういえば、もうすぐテストか…

知乃が嬉しそうな顔をしながら俺の方をじっと見ている

嬉しそうな顔を見たのは久しぶりだった


「良いで」

そう言おうとした時

三代の泣いてた時の顔が頭に浮かんだ


三代に悪いかな…


そう思ってしまった

「ごめん。友達に数学教えるんやった」

俺の言葉に知乃はすごく残念そうな顔をした

ごめんな…