「くくっ。もしもし?」

電話の相手は笑っていた。

「はいはーい、もしもし」

「もしもし埼原さんだよね?」

まだ笑っていた。

「そうだけど…狭山くんなんで笑ってんの?」

あたしはちょっと笑いながら訊いた。

そしたら

「いやーなんとなく」

と返事がきた。