「お嬢様の賑やかですが、下も賑やかになってきましたね」



下というのはパーティールームのことだ。
今日は私のお父様の誕生会だ。



「お嬢様は出なくていいんですか?」
「いいの」




昨日、お父様と大喧嘩をした。
理由は忘れたけど、今は顔も見たくない。
だから年に1回しかない誕生日会も出たくないのだ。





「栗原、私トイレに行ってくる」
「わかりました」







ドアに手をかけると、栗原から視線を感じた。
私は振り返る。

彼は私の顔を見て笑っていた。







「お気をつけて」